中の町なかどおり
コザ市街地の他の通りと同じく中の町なか通りも、かつては米軍人相手にする店がほとんどだった。現在では完全に日本人向けの店に入れ替わり、ゲート通りのような異国情緒は感じられない。客層は変われど、沖縄市一番の飲み屋街であることに変わりはなく、連日、日が落ちる頃には陽気な声が飛び交い始める。
車社会の沖縄では、飲みのスタイルも本土とは違い、一つの店に入ると長く腰をおろしているのが一般的。二次会はカラオケ! なんて流れになっても、皆でタクシーで移動だ。でも、ここ中の町なか通りなら様々なタイプの飲み屋が密集しているので、楽しさ倍増、美味しさ倍増、出会い倍増のはしご酒ができるのだ。
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zen
フレンチで腕を鍛えたシェフが作るイタリアンが評判でオープン直後から賑わいを見せる人気店。カウンターに座っている常連客のメニューはお任せメニューのことが多いので、気になったらオーダーしてみて!
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居酒屋 島ぞー店舗情報
新鮮な魚介類が豊富にそろうことも人気の理由。芸人さんらも行きつけの白子ぽんずに軟骨ソーキのマース煮など、看板メニューが多数の居酒屋!
はしご酒の始まりは、やっぱり美味しい料理から。これに異論がある人はいるまい。明るい時間からひときわ賑わっている店を見つけたら看板を見て欲しい、そこはきっとイタリア料理店の「zen」だ。北谷町の海辺でデートにピッタリの店を営んでいたが、オーナー・星田さんの「カジュアルな飲み食い屋がしたい」という思いから中の町に店を移転させたという。スタイルはカジュアルになれど、味はスペシャルなまま。そこは繁盛具合が証明しているのでご安心を。「飲み歩きの中継地点のような店になりたいんです。フラっと入って、フラっと出て行く。もう想像するだけで楽しいじゃないですか」という星田さんの言葉から、中の町なか通りの飲みスタイルを愛していることが分かる。
「居酒屋 島ぞー」は、胡屋生まれ池原育ちのお笑い芸人ベンビーさんや、DAPUMPのISSAさんなど数々の有名人が訪れ常連客になる程、人気な居酒屋!
はしご酒と一口に言っても、土地によってその楽しさの種類はきっと異なる。コザでのはしごなら、やっぱり音楽をテーマに歩きたい。二軒目に行くなら生演奏も楽しめる「コザ劇場 OTORAKU」へ。県内外のミュージシャンが頻繁に演奏している。
思う存分飲み続け立派な酔っぱらいになったら、次は自分が主役になれる店に行こう! そんな店が中の町にはたくさんある。お客さんがステージに上がるのは当たり前の民謡スナックはどうだろう。中の町で民謡と言えば「民謡クラブなんた浜」。飲めや、歌えや、踊れやの大ノリノリが正しい楽しみ方だ。民謡酒場はどこも盛り上がり始めるのが、早くても午後10時から。しっかりした食事は用意していないところが多く、店側もはしご前提ということのようだ。
民謡だけでなくいろんなジャンルの曲を歌いたいなら、3軒目は「Live&Gallery アルテコザ」にしよう。この店はなんとドラム、ベース、ギターとお客さん用にと楽器が置いてある。歌うだけでなく演奏だって出来てしまうのだ。他のお客さんがあなたの演奏や歌声に耳を傾けてくれるかは、あなたの腕次第。だが、そこは既に酔っぱらい、気にすることはない!
食べて、聴いて、飲んで、歌って。そろそろ帰らないと家族に怒られる…。そんな時間になったらシメの一皿を。「Drink & Food Bar Hanari」は、バーテンダーコンペティションでの受賞歴のあるスタッフがいる本格バーなのだが、食事もとても評判で、飲めないお客さんの常連もいる。目立ってオーダーが多いのはピザなのだそうだが、どれも美味しいので気分で選んでもハズレ無しだ。
シメの一杯の新たな定番として、最近頭角を現しているのが沖縄そば。中の町なか通りのオススメのそば屋は「宮古そば 愛」だ。カツオベースのスープに平細麺と酔っ払いに優しい上品な味だ。
アメリカの影響の薄れた通りでもこんなに個性的! 中の町なか通りはそう教えてくれる。コザって幾つの顔があるの? 新たな疑問が生まれるが、そんなことは一瞬で忘れてまた飲もう!
2019年3月現在